「日本は経済は一流だけど、マナーは三流だ」 エベレストや富士山の清掃活動を続けて今年で10年目になります。高校時代から山に登ってもう20年ですが、最初の10年間は、環境ということには、配慮せずに山に登ってきました。僕が、山でのごみの問題を初めて意識したのは、1997年に初めてエベレストに挑戦したときです。
ベースキャンプのいたるところにごみが散乱していて、日本隊が残していったごみも多かったんです。そして、各国の登山隊から、「日本は経済は一流だけど、マナーは三流だ」と言われました。またこうも言われました。「お前ら日本人は、ヒマラヤをマウントフジにするつもりか」。
野口健に対する個人バッシングならいいんです。だけど、エベレストのような世界の舞台で、日本を馬鹿にされたのが悔しかったですね。「じゃあ俺がきれいにすればいいんだろう」という想いで清掃活動をはじめました。汚したのは、日本人だけど、最終的に、ピカピカにしたのも日本人だということですね。
ただ、活動をはじめた頃は、地元のシェルパに一緒にごみを拾おうと言っても、なかなか理解が得られなかったですね。だけど、今では、シェルパが中心になってヒマラヤの清掃をしています。
「100人から6800人に」富士山に関しても、清掃活動をはじめた頃は、年間で100人くらいの参加者しか集まりませんでした。でも、去年はなんと6800人もの方が全国から集まってくれた。コツコツ続けている中で、ある意味、富士山の清掃は、国民運動的なものになってきたのではないかと感じています。結果、今では、5合目から上にはほとんどごみがないまでに改善しました。
これは、僕らがやってきたというよりも、登山者がごみを拾っているんですね。富士山には、年間30万人が登ります。たとえば、ひとり一個のごみを拾っても30万個のごみがなくなる。もちろん全員が拾うわけではないですけど、拾う人は何個も拾います。こういった広がりのおかげで富士山がきれいになっています。
今は、残りの半分、富士山のふもとの清掃を行っています。ただ、根本的な問題は、ごみを拾うだけでは解決しません。どうすれば、ごみが出ない社会をつくっていけるかということについて、この清掃活動を通じて、社会に訴えかけていきたいと思っています。
「エベレスト・富士山清掃活動」の関連ページ
活動内容
シェルパ基金
マナスル基金
野口健 環境学校
エベレスト・富士山清掃活動
ヒマラヤ地域の氷河融解問題